雇用契約に守られて仕事ができる会社員とは違い、フリーランスには何の保障もありません。有給休暇などはもちろんありませんし、労災などもありません。会社員ならば体調を崩してしばらく仕事を休んでも、収入は確保できますが、フリーランスは仕事ができなくなれば収入はゼロになります。タイミングが悪く仕事に穴をあけるようなことになれば、それまで培ってきたクライアントとの信頼関係は一気に崩れてしまいます。ちょっとした怪我や病気でも、仕事ができなくなるということは即死活問題になるのです。
フリーランスという言葉そのものは、中世ヨーロッパの傭兵に起源を有するようですが、組織から独立した働き方を一般的に指しています。日本でも特にバブル景気崩壊後の不況によって、これまで通り企業に勤めて一生を終えるという甘い期待が許されなくなったことや、IT化によってより自由な働き方ができるようになったことなどから、フリーランスが増えています。職種も従来の限られた専門職から、ITエンジニアなどアウトソーシング化の進む業務に広がっています。
従来の日本の終身雇用や年功序列が崩れつつあるとはいえ、会社勤めの安定した身分は大いに魅力的です。しかし会社の方針に従うだけという働き方に飽き足らず、フリーランスを目指すのであれば、そのリスクを覚悟する必要があります。フリーランスになれば仕事の獲得も報酬も、すべては自分次第であり、自分が主体の働き方を実現できる一方で、熾烈な競争に晒される中で淘汰されてしまえば、そこから先の保障はどこにもないのです。
フリーエンジニアにとって、クライアントとの契約が口約束で済まされてしまうと、「言った」「言わない」の水掛け論になった場合、自分の身を守る術がありません。業務委託契約を結ぶのであれば、少なくとも双方がお互いに権利を行使し義務を負う以上、合意内容を記した契約書を作成し、署名捺印した原本を1通ずつ保管するのが原則です。こうしておけば、後に裁判になっても、この契約書が証拠となります。仮に一方から差し入れるだけの場合にも、コピーをもらうようにしましょう。
契約書は必ず2通の続きを読む体が資本のフリーランスにとって、健康は基本中の基本です。クライアントから依頼を受けた仕事の完成は自分の責任であり、たとえ突発的な病気や怪我によって仕事ができなくなったとしても、自分の代わりはいないのです。仕事の完成が納期に間に合わなかったり、あるいは完成した仕事が希望に合わなければ、クライアントから賠償を求められるかもしれませんし、そうでなくても信頼関係が損なわれ、その後の契約の継続も怪しくなります。
健康が資本の続きを読むフリーエンジニアにとって、案件の獲得は文字通りの死活問題です。従来どおりの人脈を利用した知人による紹介から、少しずつクライアントを広げて行くという手法は健在です。しかし最近では、フリーランス向けの案件紹介サービスを展開する、専門のエージェントを利用するという手もあります。第三者が介在することでフリーエンジニアの交渉力が高まったり、契約を明確化するなど、最適なマッチングをサポートする体制を整えています。
問題が起こりにくい案件獲得法の続きを読むIT業界では悪しき慣行として、「偽装請負」が横行していると言われています。それに加えてフリーエンジニアは、二次請けや三次請け、あるいは四次請けという形で仕事を受託している場合もあり、そのために「二重派遣」の問題も生じます。これは労働者派遣法違反となると同時に、職業安定法にも違反することになるのであり、処罰は知ってか知らずか、そのようなフリーエンジニアを受け入れているエンドユーザー企業にも及びます。
フリーランスがクライアントと業務委託契約を結ぶ際、契約書の内容に曖昧な点があると、後々クライアントと揉める可能性があります。トラブルを防ぐには、業務内容や報酬などを契約書にしっかりと明記しておくことが大切です。
契約書で明記しておくべきことの続きを読むフリーランスとは、一般的に会社など組織から独立した働き方を意味します。最近では企業が業務のアウトソーシング化に積極的なこともあって、フリーランスが活躍する場も広がっています。会社勤めのように会社の指揮命令に服することなく、仕事時間も仕事場所も自由であり、仕事の選択そのものも自由です。その一方で会社勤めのような身分の保障はなく、仕事を上手く獲得出来れば収入が上る代わりに、収入は不安定で、怪我や病気をしても生活の保障はありません。